舟木昭太郎の日々つれづれ -97ページ目
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気になる格闘技界の高額納税者は?

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 ’04年度の高額納税者が公示され、各界著名人の中で、前K-1プロデューサー石井和義氏は、約25,800(納税額9,243【単位・万円】)で、格闘技関係者の中では断トツ。PRIDE統括本部長・高田延彦氏は3,900(納税額1,187)、プロレスラー・蝶野正洋(新日プロ)は、3,500(納税額1,021)。ここで残念なのは、プロボクサー、K-1選手が(MAXも含めて)誰一人、入っていない事、寂しい限り。もしかして、魔裟斗がと思って食い入るように新聞を見たが無かった。魔裟斗あたりが入っていると、ファンも喜び、選手も励みになると思ったけど。
 そうそう忘れていた吉田秀彦、格闘家として、なんと11,500(納税額4,012)とあった。これは又、すごいね。PRIDEのファイトマネーが、相当高いことがこれで了解。最も、彼の場合、サッポロビールのCMも大きいか……いずれにせよ、大きいことはいいことだ。
 一昔前、ボクシング界では10,000クラスは珍しくなかった。例えて、辰吉VS薬師寺で、辰吉が13,000で薬師寺も8,000くらいを手にしたとか。具志堅用高のラストファイト(14度目)は、6,000だった。
 もっともヒクソンはとうに10,000をオーバーして、現在は15,000とか。もう一生食うゼニはすっかり残しているから、やる気も起こらないだろう。日本はまさに「黄金の国」とは、昔もいまも変わらないようだ。いずれにせよ、外国選手天国にしてしまうと、やがては日本のリングに枯れ果てた冬の時代が間違いなく来よう。どこかで線引きが必要。それにしてもパチンコ&スロットで大儲けしたはずの猪木さんが、なんで入っていないんだろう。なんでだろう?(古いか)永久電池の失敗で相殺か?

「バーリ・トゥード ノゲイラ最強への道(DVD付き)」6月中旬発売!

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 今日は6月中旬、東京漫画社(DINO Book発行)より発売される「バーリ・トゥード ノゲイラ最強への道」(2500円+税)をご紹介しよう。小社(アッパー)の制作、私のプロデュースによるもので、DVD付き。本邦発のバーリ・トゥード入門書になる。ブラジリアントップチームが内外不出だった実戦バーリ・トゥードテクニックをわかりやすく分解、写真で解説したテクニック教則本であり、ノゲイラをはじめ、マリオ・スペーヒー、ムリーロ・ブスタマンチ、ヒカルド・アローナらが自らがモデルとなる。そして最高のテクニックを余すところなく披露しているのだ。
 さらに、なんとなんと、あの寝技の魔術師ノゲイラがDVDに特別出演、とにかく至極の技をおしげもなく日本のファンに公開伝授するのだ。まさに、ファン、総合を志す者、現在活躍する選手にとって、文句なく垂涎の一冊!
 ファンにとっては、複雑な技の組み合わせが、手に取るようにわかる映像は、PRIDEなど観戦する際、楽しさが倍増することうけあい。
 私も、三角締めや、スピニング・チョーク、アームロックなど、ある程度は知っていたものの、その論理的な攻めを目の当たりにして、目からウロコ、なるほどと思わず唸ってしまった。本を見て、読んで、そしてDVDで再確認する―これほどわかりやすく、魂のこもった教則本は、二度と出版されまい。空前絶後のもの、と私自身太鼓判を押します。お近くの書店に「バーリ・トゥード ノゲイラ最強への道」と、さっそくお申し込み下さい。
尚、お問い合わせ/東京漫画社 03-5259-5233  お申し込みFAX/03-5259-4500

 小社は、5月27日は格闘技雑誌「KAKUTOUGI GRAPHIC UPPER」の発売、6月9日「機密文書」(いずれも白夜書房)、そして、いま紹介の「バーリ・トゥード本」と、格闘技界にときならぬアッパー現象を巻き起こしています。どうぞ注目して下さい。

「UPPER」取材裏話 アノ選手が大変身?

 「KAKUTOUGI GRAPHIC UPPER」の発売まで12日!制作は順調デス。ベールをぬぐのも、もうすぐ!お楽しみに。
 さて、少し取材のことなどを話してみましょう。一昨日は、とある人気選手を渋谷区神宮前のPEEK-A-BOO EXTにお越し願って、「格闘家改造計画」というテーマで、日本一のカリスマ美容師川島文夫先生に、髪をカットして頂き、さらにスタイリストの高山良昭さん達によって、服装もバッチリ決めてもらいました。
 とにかく、川島先生にかかるとまるで人間ワザとは思えないようなスピードと感性で、あっという間に彼の髪型を変身、改造してしまいました。只々、そのマジシャンぶりは驚きの一言で、「なるほど日本一」と唸りました。
 カットのあとは、髪の毛を薄い金髪に染める時間のかかる作業もあり、練習の合間の忙しい中、なんと二時間に及ぶ中、彼はニコニコと一度も嫌がりもせず付き合ってくれました。只、付き添えのマネージメント部チーフだけはどうなるものかとずーっと心配そうな表情でした。それもそのはず。「スポーツマン、格闘家としてのイメージを損なってはね・・・」と。でもその仕上がりにも満足そうでした。 結果は27日発売の「UPPER」第1号をお楽しみに。
 格闘技誌が、その名も高きPEEK-A-BOOで、しかもカリスマ川島先生の手によって格闘家が大変身。こんな企画はともかく「UPPER」しかできません!キッパリ!
 これからも「UPPER」は次々に皆さんがあっと驚く企画を実現させます。乞うご期待!

K-1 WORLD MAX 決勝トーナメント進出者決定 1回戦の試合内容から優勝候補を占う

 K-1 WORLD MAX 決勝トーナメント進出者が決まった。魔裟斗、ブアカーオ、クラウス、そしてサワー、ジョン・ウェイン、小比類巻、ナラントンガラグの7名。これに、スーパーファイトで山本“KID”徳郁をKOに降したザンビディスが加わる公算が高い。決勝トーナメント(7月20日 横浜アリーナ)の組み合わせは、一週間以内にFEG側から発表されるが、いずれにせよ、顔触れは昨年とほぼ変わらない。安廣も可能性あり。
 そこで一回戦の試合内容から、優勝候補を絞ってみよう。
 やはり一番手はブアカーオ。緒戦のワシリーとの試合は、無難にこなした。とりこぼしのないように、無理な打撃戦を避けたといってもよい。2月の対クラウス戦、判定で敗れはしたがその後遺症、不安は全く感じられず。逆に黒光に引き締ったボディラインは、本番へ着々と体勢を整えつつあり、7月にはベストな仕上がりで登場するはず。魔裟斗にとっては、やはり手強い相手だ。
 ロー、ハイキックからパンチで畳みかけるコンビネーションはスピードがあり、相手に攻撃の糸口を与えない。
 クラウスは、ボクサー仕様のカラコダのパンチに緒戦苦戦した。かつての攻防一体の切れ味が影をひそめた感じで、守りと攻めがはっきり分かれている点気になる。
 決勝トーナメントで、いきなりブアカーオに当たるようだと苦戦はまぬがれまい。ズバリ、ブアカーオに有利と見る。
 KIDをKOしたザンビディスはその破壊力から、当然主催者推薦で加わるだろうが、パンチ一辺倒のパターンは、早い回に相手をKOできない展開になると意外にモロさが出よう。
 小比類巻のヒザ蹴りは、パンチャー、ザンビディスには最も有効と思われる。
 アンディ・サワーは、マルフィオに判定勝ちしたものの、昔日の面影は薄れた。
切れ味のいいファイト、パンチの詰めの鋭さがなくなった。従って、優勝候補とはいい難い。ジョン・ウェインは、シェインを3RKOに葬ったが、KOするまで相当手こずっていた。正直いって、蹴りもパンチも戴冠を得るまでの筋金入りではない。
 小比類巻は、ダリウスを2R1分29秒、KO勝ちしたが、これもダリウスが自ら放ったローキックをブロックされての自滅のダウン。骨にヒビがかったか骨折したか、スネの鍛えが甘い選手がよく招くシーン。とはいっても、小比類巻のヒザ、特に長身からの飛びヒザ蹴りはカウンターで決まると威力十分。ブルファイトのパンチャーにとっては、邪魔な飛び道具となる。
 モンゴルの雄ナラントンガラグは、安廣に手こずって、延長戦を闘ってやっと勝てた。パンチは大降りで、一発狙いのフックは一流どころにはそう易々と当たらない。安廣の捨身の攻撃こそ光るものがあり、とても優勝とまではゆくまい。
 さて、最後に魔裟斗。じん帯を痛めているということで、パンチ主体の組立で、韓国のイムを文句ない判定に下した。
イムは、全日本で小林聡をKOしたハードヒッターだが、魔裟斗にあしらわれた、格の違いを感じた。
 魔裟斗もじん帯を痛めてベストコンディションではなかったが、やはり攻守共にバランスが取れている。決勝トーナメントになれば、一段と出入りの早い攻め、コンビネーションが冴えるはず。
 で、優勝候補は、ブアカーオ、魔裟斗、小比類巻の3人と見る。あとは組み合わせがどうなるか・・・7月20日までの選手たちの仕上がりに注目したい。
 余談ながら、女性の米国人リングアナがひときわ輝いていた。素晴らしいの一語!是非今後も登場していただきたい。迫力、華があり。

 尚、TBSが9時から放映したMAXは、平均で20%を越えたという。魔裟斗×イムの判定の瞬間は26%とか・・・。MAXは確実にお茶の間に浸透している。敗れたKIDも、悪びれる必要なし。堂々たる敗者ぶり。総合の選手が、キックの一線級と、よくもあそこまで蹴り合い殴り合いするものだと感心。左ミドリキックは、他の選手にそん色なし。敗れたあとの言葉も、さわやか。あの蹴り技があれば、総合で鬼に金棒だろう。このKID×ザンビディスも25%近い高視聴率とか・・・むべなるかな。
 KIDにはHERO’Sでの活躍が大いに楽しめる。

PRIDE吉田秀彦の勇気 極真世界ウェイト制大会の第2のミルコ!

 PRIDE吉田秀彦の勇気 極真世界ウェイト制大会の第2のミルコ!

白夜(ビャクヤと読む)書房から発行する「UPPER」創刊準備号は快調に製作中!先ずはお愉しみに・・・。乞う御予約。
 格闘技界は、4月23日のPRIDEミドル級GPのあと、K-1ラスベガス大会、そして5月4日K-1MAX決勝戦と心躍らせるイベントの連続。時に新緑狩りの季節なれど、格闘技界から目が離せない。
 で、大阪でのPRIDE GP、白眉はやはり、ヴァンダレイ・シウバ対吉田秀彦に尽きる。寝技の吉田が立技のシウバに、全く気おくれず真っ向勝負の姿は、ハラハラさせながらもその恐れを知らない〝蛮勇〝にはただ驚き舌を巻いた。
 スピード、パワー、テクニック・・・打撃において一枚も二枚も上のシウバが、何故吉田を攻め落とせなかったのか。
 その理由は明らかだ。吉田の果敢な闘争心にこそあり、と私は見る。相打ち覚悟の闘いほど、敵にとって恐いものはない。そう吉田は肉を切らせて、骨を断つという捨て身の闘志〝戦法〝で、シウバとわたり合った。もしあの連続の打撃戦で、シウバのパンチを恐れ、後退を重ねていたらシウバの腕力の前にあっさり膝を屈していたろう。吉田の度胸まさに虎穴に入らずんばであった。進歩、成長のあとも随所にあり。先ず、ジャブをこまかく出していたこと。以前は、いきなり右ロングフックから打っていた。しかるに相手のカウンターの格好の餌食となっていた。
太モモへのローキックは相当痛かったはずだ。だのに表情に出さないのも負けじ魂の強い吉田らしい。顔に出れば、ピンポイントで狙われていたろう。勝負事は敵にウィークポイントを見せたら負け。
 いずれにしても「気はテクニックに勝る」を十分に実証した心に残る一戦で、敗れた吉田の方にこそ、私の収穫は多かった。
 余談ながら、ゴン格4月号の取材の折、具志堅用高氏の現役時代のボクシングの試合DVD2本、藤原敏男会長、そして猪狩元秀氏のキック時代のDVDをスタッフにお土産に持参させたのだが・・・その折吉田は「オレに、ボクシングとキックを勉強せよということか」といって、豪快に笑ったそうだ。
 その豪気、天衣無縫の豪胆さこそ、天賦の才を花開かさしめているのだろう。
五輪の金はその集約されたものといえる。
吉田こそPRIDEの日本陣営の紛れも無いエースと、敗れてなお、彼は発展途上にある。可能性まだ半と彼に期待あり。
 K-1ラスベガスでは、ボンヤスキーがモーに判定で敗れる波乱があった。飛びヒザ蹴りに躍り上がったところへ、カウンターのパンチ・・・よくあるケースだ。空中技は殺傷力もあるが、ひるがえって、危険性もある諸刃の刀。そのことをボンヤスキーは身に染みて感じたろう。とはいえ、暮れのK-1GP、やはり優勝の本命は彼だ。しなやかな蹴り技、スタミナ、切れ味・・・ホースト、アーツ、バンナ等ベテラン技巧派、そしてパワーヒッターがのきなみ老化した現実。総合力ではやはりボンヤスキー。武蔵には決め手がほしい。
 5月1日、千駄ヶ谷の東京体育館での極真・第3回全世界ウェイト制空手選手権大会は、ロシア勢の台頭を見せつけられ、末恐ろしさを感じた。重量級などはさながらブラジル対ロシアの対抗戦の様相を呈した。で、重量級は前評判どおり、ティシェイラ(ブラジル)が、クルバノフ(ロシア)を倒して優勝した。
 しかし、準決勝でクルバノフに敗れたアンドレイ・ステピン(ロシア)にひそかに私は○印を付けた。184センチ、110キロ、23歳、初段。
 彼こそ第二のミルコとマークしたのだ。その成長や楽しみな選手。とにかくロシアは空手、総合格闘技の宝庫。ここを掌握したものが格闘技界を制すると思える。前田日明が意味じくも「ロシアにはヒョードル級はゴロゴロいるよ」というのもあながちオーバーではないと実感した次第。
 さて、K-1MAXで、魔裟斗は王者に返り咲いているかどうか。その結果は後日、リポートしたい。

わがふる里を思う

 私のふる里は、福島県東白川郡鮫川村。人口、既に5000人を切った過疎村。阿武隈山系の山奥深きところ・・・東北新幹線で新白河で降り、白棚線というバスに揺られ棚倉町の終点へ。そこからまたタクシーに乗って30分かかり、やっとわが実家にたどり着くというわけだから、やっぱり遠い。新幹線が走って便利になり、張りめぐされたアスファルト道路を疾走してでもある。
 我家の前にはその名も"鮫川"(さめがわ)と呼ぶ川が流れている。この川はやがて遠き旅路の果てに、太平洋岸のいわき市にそそぐ。そして市民の生命の水となる。つまり鮫川は、ヘビのように回りくねりながら、延々と流れる源流なのだ。鮫川という名は、昔上流にサメが棲んでいたからという民話がその由来だと。どうもこれは違うらしい。昔、人はサメを厄払いの神として祭っていたとのことで、どこかにサメ神社みたいなものがあったのではないか―と民話に詳しい友人が教えてくれた。いくらなんでも、太平洋からサメが泳ぎさか上って来るというのは不自然だし、その方が説得力がある。
 いずれにせよ、少年時代、夏休みとなれば、朝から晩まで姉妹たちと真っ黒になって泳いだものだ。当時は川の底まで透きとおって見え、ヤマメや、カジカなど泳ぎ回る姿が見えたものだ。野球が好きで、中学時代(鮫川中学)は、4番でファーストを守り郡大会で優勝した。勉強は、本を読むこと以外好きでなく、とにかく野球ができれば幸せという自然児で、やがて高校は石川町の学法石川高という学校に進んだが、入学後は全く野球に興味を示さなくなったのだから不思議。当時道路はじゃり道、デコボコ道で鮫川から町までバスで1時間近くもかかり、毎日胃痛で悩まされたものだ。あの青春の高校時代も懐かしい。友はいずこに、友は元気で居るや。
 そんなふる里に、4月16日、兄嫁の一周忌法要のため妻と一泊二日で帰ってきた。桜はおろか、まだ梅が満開で天気晴朗なれど風冷たく、まさに春は名のみであった。17日はお墓参り、父母兄弟にもねんごろに焼香して来た。そして一周忌法要もとどこおりなく終わった。法要の席は、中学時代同級生の蛇田武彦君が営む「滝」という民宿。彼とも懐かしい体面であった。法要の宴も無事終わったあと、蛇田君のバスで「カタクリの花」を見るために鮫川の源流に近い天狗橋という渓谷にみんなで出掛けた。時、まさにタイムリーで紫色のかれんなカタクリの花は渓谷に沿って群生していた。それはまさにおとぎの国のたたずまいで、見物の兄弟縁者は思わず歓声を上げた。私もふる里にいながら、これほど鮮やかに、しかも密生したカタクリの花を見たのは生まれて初めてで、感動した。
 空どこまでもあおく、天に窓があるとすれば一周忌のあの日、兄嫁(ミツイ)は下界をのぞき、あるいはつつがなく暮らす息子夫婦、孫達、それに夫の姿と見てさぞや安堵したのではないか。
 間もなく、わがふる里鮫川に遅い桜の季節がやって来て、やがて森羅万象、いっせいに緑の芽をふく―そんな情景を思いながら今日も新雑誌の製作に励むのです。ありがたき也わがふる里よ・・・。

新雑誌に心強い応援

  新雑誌の名前も「UPPER」と決まってスタッフ一同猛ダッシュをかけています。そんな中、25日から仲間がひとり加わりました。鈴木 佑くんです。ご報告いたします。

 わが社に入る前は、ハッスルの携帯サイト関係の仕事をしていた由。先輩の安村副編集長と同じくターザン山本氏主催する「一揆塾」で学んだそうで、ターザン氏の推薦による入社です。根性、やる気、筆力十分。今後の活躍にご期待のほどを!

 なお、編集員募集には多くの方に応募していただきましたが、ご期待に沿えず申し訳ありませんでした。欠員が出次第、また募集いたしますのでよろしくお願いします。

 いろいろありますが、アッパーのスタッフは志が高いから大丈夫、へこたれませんよ。みんな一騎当千。「勇将のもと弱卒なし」です。

 そんな中、K-1さんが心強いエールを送ってくれました。

 先日、六本木のジムオープンセレモニーに出席した際、石井元館長、谷川社長、石井広報担当と全員が私の顔を見るなり「がんばってください、なんでも遠慮なく言ってください」と。そして二日後、FEGから今度のK-1 MAX開幕戦(5月4日、有明コロシアム)のリングサイドカメラマン席を用意してくださった。K-1、FEGさんありがとうございます。これでいい写真、迫力あるグラビアが作れる… スタッフ一同手放しで喜んだ。吉川編集長は早速お礼の電話をかけていたようだ。

 読者の皆さん、アッパーの心意気いかばかりか、5月27日の創刊準備号をお待ちください。そして更なるご支援をお願いいたします。


4月2日秋田大曲講演原稿

前田日明氏の講演会にて、私も一言述べさせていただきました。

以下はそのときの内容です。

この講演会の詳細は5月27日発売「UPPER」誌に掲載いたします。

お楽しみに!

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私の大好きな言葉に、終わりの始まり――という言葉があります。

あらゆることに於いて、終わったと思った時点で、次への準備を怠らないということです。

分かりやすく申せば、「只今!」と家に帰ったときに、実は明日が始まっているというわけです。

 

 この中で、お家に帰って、靴を揃える方は果たして何人いますか…出掛ける方へ靴先を向けて揃える人が。子供は親の背を見て育つと申しますが、しっかりと実行している子供は、まず一カドの人間になれますよ。つまり、この家庭は既に明日に向かって力強く始動しているわけです。余談ですが、私の倅が中学の時も5人ほどで友達の家に遊びに行ったところ、翌日お母さんから、妻に電話がありました。「太郎君(ウチの倅の名前)は立派よね、靴をちゃんと揃えて。」たかが靴を揃えただけですよ。ことほどさように、ちょっとしたことが他人を感動させたり、人間性が見られるんです。

 

 さて、「終わりの始まり」の本題に入りましょう。みなさん、よく御存知の具志堅用高さん。13度防衛したボクシング界のヒーローですけど。私は彼の現役時代をずっと取材していますけど、その影響を少なからず受けました。ちなみにこの具志堅さんとは親交があり前田さんを敬愛しているんです。

 タイトルマッチに備え、ゴルフ場などでキャンプを張るんですけど、彼は寝る前に、すべて明日の用意を枕元にするんです。ランニング用の全てのものをです。靴下、パンツ、帽子、それは見事にもずらっと枕に並べてあるんです。そして休みます。

 で、翌日、4時半位に起床して5km位走るんですが、誰よりも早く起きて支度して、もう外でウォーミングアップしてるんです。他の同行選手はというと、靴下がないあれがないと毎朝、大騒ぎするんです。結局、キャンプの間、他の選手はずっと同じことを繰り返すだけです。グレートになる人は日常の姿勢が違うんだなあと。で、後年一人の選手が、具志堅さんを見習うんです。具志堅の歩いた道をマネしていくんです。いわゆるmoderingですね。それが、渡嘉敷君――トカチャンです。やはり自分を見習ってくれるわけですから、可愛い後輩なわけです。志ある者に将来に託すんですね。スパーリングパートナーとして、どこへでも渡嘉チャンは帯同して、やがて彼は世界王者となるわけです。

 

 ヤンキースの松井さんは、風呂に入るとどこよりも足の裏、指の間を入念に洗うそうです。水虫にならないようにと。試合が終わってシャワーを浴びて、足を洗う中ですでに体も心も明日への戦いが始まっているわけです。彼も五本の指の靴下を愛用していますね。守備について、痒ければそれだけ集中力が落ちるわけでしょう。超一流は、我々が何気なく見過ごしているところをしっかりやっているわけです。

 

 イチローも、試合後に自らのグローブを自分でしっかり磨くんです。グローブを磨きながらあるいは「明日も頼むよ」と「願」をかけているかも知れません。志が違うんです。

 

 かように、超一流は、「終わりの始まり」を見事に実践しているわけです。さぁ皆さんもとにかく靴を揃えることから始めてみましょう。

UPPERの新たなる旅

 アッパー版の「ゴン格」は、3月23日発行の5月号で終了いたしました。雑誌でご案内しましたから、読者の皆さんは先刻ご承知と思われますが、ともかく大過なく契約を終了させて、元の日本スポーツ出版社にお返しすることができました。これもひとえに、読者ならびに格闘技関係者各位のご支援があったればこそと改めて深謝申し上げる次第です。
 さて、4月は別れと出会いの季節。アッパーも、新しい旅に向かいます。5月27日、白夜書房より「UPPER」が、創刊準備号として、いよいよ発売されます。30数年に及ぶ私の編集キャリアの文字通り集大成として、真っ向勝負の気概です。
 読者の皆様の希望と期待に違わぬように、吉川編集長、安村副編集長をはじめとするスタッフが連日深夜まで取材、仕事に追われております。どうぞご期待ください。新雑誌「UPPER」の情報は、随時ウェブサイトでお知らせいたします。
 新生「UPPER」にどうぞご期待ください。
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